「イライラする子供たち」をテーマにした新聞の記事に、次のようなアンケート結果が載っていました。
学校生活の中でイライラした子供が多いと感じますか?
イライラした子供はいないと感じた 4.1%
イライラした子供は多いと感じた 40.5%
イライラした子供はいるが、多いとは感じていない 55.3%
(四捨五入のため100%にはならない)
小中学校で担任を持っていた先生 412人を対象にしたアンケート結果です。
この結果によると、実に95.8%の子供たちが何らかのイライラ感を抱いて学校生活を送っているようです。
似たような結果は大人の社会でもあると推察されます。
我が国では、政府主導で急速に多様化を進めようとしています。
多様化の中味とは、性別・年齢・国籍などに関係なく、様々な人が活躍できる社会のことです。
社会として多様化が進むことは、多くの人に優しくなるということなのでとても歓迎できることなのですが、
一方、多くの人が無意識のうちにその変化についていくのが難しいと感じているのではないでしょうか?
これまでの日本は良くも悪くも多くの人が共有できる社会としての共通の価値観がありました。
例えば、働くということで言えば、終身雇用・年功序列などがその典型でしょう。
ところが今は、働き方改革という号令の下に、
どのように働いてもいい、自分の価値観や都合で好きに働こうと
真逆とも言えるような働き方が許されるような状況が勧められています。
自分の隣には、自分とは違う価値観、違う文化的背景の人が働いているのが当たり前になるということです。
怒りの感情は簡単に言ってしまえば、自分と価値観の違う場面に出合った時に生まれます。
社会で多様化が進むということは、自分と違う価値観に出合う場面が増えるということです。
アンガーマネジメントがができるようになると、自分と違う価値観、様々な価値観に対して寛容度が上がり、
それらを受け入れることが容易にできるようになります。
そうなれば、職場にコミュニティーが、
あるいは施設等々い自分とは違う価値観の人がいたとしても受け入れることができ、
その人たちと仲良く、居心地よく一緒にいられるようになります。
誰だって、自分の側にいる人と仲良く過ごしたいと思っているでしょう。
一流のスポーツ選手の間にも、良い成績を残すため アンガーマネジメントを取り入れている人が増えていると聞きます。
アンガーマネジメントは私たちの取り組むべき喫緊の課題と言えます。
怒りは高いほうから低いほうへと流れやすいのが特徴です。
自分の中で沸き起こる怒りの連鎖を断ち切るためにも、
多くの人に「アンガーマネジメント」を学んでほしいと思っています。
就労移行支援施設すずかぜ
施設長・講師 大城 豊